糖尿病患者さんが風邪をひかれた時、
稀に治りが悪い時がありますが、
多くは数日で治癒します。
ある日、高熱を伴う風邪で来院された患者さんから、
「明日出張なので、今日中に風邪を治してください。」
と言われました。
健康な若い男性といえども、
1日以内に高熱を伴う風邪が治ることがあるでしょうか?
傷寒論、条文12に、太陽の中風は陽浮にして陰弱。陽浮の者は熱自ら発す。陰弱の者は汗自ら出ず。嗇嗇として悪寒し、淅淅として悪風し、翕翕として発熱し、鼻鳴り乾嘔する者は桂枝湯之を主る。
方後注に、---若し一服し汗出で病差ゆれば、後服を停め必ずしも剤を尽くさず。若し汗せざれば更に服せ、法は前に依る。また汗せずば後服は小しくその間を促し、半日許りで三服を服し尽くさしむ。若し病重き者は一日一夜---。とあります。
重症ではない風邪は治療が正しければ、
半日ほどで治ることが多い病気なのです。
条文12を理解すれば、誰でも納得できると思います。
次回、この条文と条文1を分析します。