以前よく“疲れがとれないんですが、何とかなりませんか?”、“疲れやすいので、お薬をください。”と訴えられる患者さんがおられました。西洋医学では、このような訴えは治療対象になりません。糖尿病などがない場合は、“病気じゃないので薬はありません。ビタミン剤を飲んでも無駄ですよ。”と言っていました。
中医学では虚労と言われ、病態に応じて有効な漢方薬があります。臓腑を中心にして弁証論治すると分かりやすいようです。心虚労、肺虚労、脾虚労、肝虚労、腎虚労と五つに分ければ、ふさわしい漢方薬を見つけやすくなります。実際は、患者さんに合わせて、漢方薬を単独か組み合わせて、可能なら加減して使って行きます。大事なことですが、生活習慣や隠れた重大な病気が隠れていないか十分考慮する必要があります。