夜間に何回もトイレに起きられる糖尿病患者さんは、以外と多いものです。お尋ねすると、高齢の糖尿病患者さんは、夜間に1〜2回はトイレに起きられるようです。泌尿器科からお薬をもらわれている患者さんも多いのですが、残念ながらあまり効いていないようです。
足腰がだるく、特に理由もなく夜間の尿量(排尿回数)が多い場合は、腎気が虚している(腎気不個証)場合が多いものです。漢方薬の秘精丸が使われますが、保険適用ではないため八味地黄丸や牛車腎気丸などを使うことになります。実際に使ってみると、あまり効果がなく、薬効が弱いのかもしれません。しかし、別の可能性も考えるべきです。起きている間に処理しきれなかった塩分や余分なカロリーなどを捨てるために、夜間の尿量(回数)が増えている可能性があります。もしそうなら、治療は簡単です。食事療法と運動療法を主にして、必要な場合に薬物を使えばよいのです。最後は、食事と運動を楽しむすべを学び、実践することが大事になります。