尿中に僅かなタンパク質(アルブミン)が見られる糖尿病患者さんは、以外と多い。尿中のタンパク質が30〜299 mg/g・CREの場合、早期糖尿病性腎症と診断されます。しかし、この値は、けっこう変動(例えば、40⇄200 mg/g・CRE)します。全てが、病的と言えるのでしょうか?
糖尿病患者さんの尿には、しばしば糖が出ます。糖尿病患者さんでは、体が処理仕切れなかった栄養(エネルギーなど)は、糖に変えられ血液の中などに蓄えられます。そして、いっぱいになったら、尿に捨てられていきます。一方、タンパク質もエネルギーを持っていますので、同じような理由で尿に捨てられているのかもしれません。そうすると、微量の蛋白尿は病気というより、余分なもの(主にエネルギー)を捨てているだけになります。一種の防衛反応ということになります。
しかし、この活動が長く続くと大きな問題が起きてきます。腎臓の血管には、小さな穴が開いています。そして、捨てられているタンパク質はこの穴よりずっと多きいのです。徐々に穴が大きくなっていき、タンパクが大量に尿に漏れ出すようになり、ネフローゼ症候群という厄介な病気になっていきます。体の処理能力を上げ、処理出来る食事を楽しむことこそ大事なんです。