診療中に、“最近、血糖が上がって来てますよ。”とお伝えすると、“それでは、薬を出して下さい。”と言われる糖尿病患者さんがおられます。患者さんには、“現在使われている糖尿病の薬には、病気を治す力はありませんが、流れを変える働きがあります。”とお話しています。
最近発売された糖尿病の新薬(SGLT2阻害剤)は、リンゴの木の枝の樹皮に含まれていたフロリジンを改良した薬です。そしてこの薬も、流れを変えます。体脂肪に変えることが出来なかった栄養物の大部分は、肝臓で糖に変えられ血液の中などに蓄えられます。そして、いっぱいになり血糖が高くなると、腎臓から捨てられます。この新薬は、血液中の糖を体の外へ捨てる力を持っています。つまり、この糖尿病の新薬は、糖を溜め込む流れから、糖を体の外へ捨てる流れに変える薬です。当然ですが、血液中の糖を捨てる訳ですから、血糖は下がっていきます。