不眠外来；動悸がするんですが！　2016,6.11

　診察を終えた後- - -不眠と動悸を訴える患者さんが来院した時のことを、考えていました。
　その患者さんは、おそらく循環器科で心電図などの検査を済まし、睡眠薬を処方された。つまり、心臓には明らかな異常はなく、処方された睡眠薬は不眠を解消してくれなかったのだろう。これは、中医学ではありふれた不眠ではないか。
　まず、話をよく聞かねばならない。親や兄弟のことで怒りを感じたり、思い悩む事が多かったのでは。見た感じは弱々しくはなく、脈を取ると実で、舌を診ると先端が紅、神門と内関に圧痛がある。心火亢盛と弁証出来る。しかし、直ぐに薬を与えてしまえば、根治は難しいかもしれない。眠る時、怒りや悩みが脳を支配していたら、“明日考えよう、きっとうまくいく。”と自分に言い聞かせ、三黄瀉心湯などを服用するように伝えよう。そして、神門をよくもみ、内関を押すとよく眠れることを伝えておこう。それでも不安そうな顔なら、これまで飲んでいた睡眠薬を、少量飲んでもいいことも告げておこう。

at 2016/06/11 14:45:42

"診療日誌"の関連記事