猪苓湯は、滑石、茯苓、阿膠、猪苓、沢瀉からなる方剤です。胃壁内の邪気を処理し、腎陰を補い陰陽のバランスをとればこの不眠は治ります。
滑石、茯苓、阿膠、猪苓、沢瀉は、門脈を介して肝へ運ばれ、肺を経由し、心から全身に運ばれる。この間に、脾に残っていた不要物は処理され、心から送り出される血液には、肝と肺で合成された物質が加えられる。
胃壁内の邪気は滑石と茯苓で処理され、胃は常態を取り戻していく。腎に到達した阿膠により陰保持物質が停留し、腎陰が補われ陰陽のバランスが取れていく。肝、肺で排泄出来なかった不要物は、猪苓と沢瀉で腎より排泄される。
これで、胃から脳に集まる熱が去り肝合成も正常化するので、この不眠は治ります。胃を襲ったのは常態を逸した陽気でしたが、病原体の断片などだったら、睡眠障害は起こるのでしょうか?次回、小柴胡湯、大柴胡湯、小青竜湯について考察していきます。