条文96に、傷寒五六日中風、往来寒熱、胸脇苦満、嘿嘿として飲食を欲さず、心煩喜嘔す。------小柴胡湯之を主る。とあります。眠れなくなるとは、やはり書かれていません。
詳細は省きますが、邪気(不活化したウイルスなど)は、膀胱経→胆経→脾経へと移り、胃に到達します。胃壁内で陽気や水などと反応し、新たな邪気(寒湿)が生まれます。この邪気の周りには、多くの陽気は集まって来ません。何故なら、経脈内の邪気により陽気の流れは悪く、この水と反応した邪気は多くの陽気を集めないからです。また、胃壁内で陽気の鬱滞が強くなり心煩すると、嘔吐します。胃壁内での陽気の鬱滞は弱く、心へ流れる陽気もそう多くはなりません。不眠とはならないでしょう。陽気が心経脈を介して脳に流れ続けないと、不眠にはならないようです。
それでは、大柴胡湯の場合はどうでしょうか?次回、詳細に検討してみます。