糖尿病患者さんには、肥満(傾向)の方が少なくありません。体重を落としたいと考え、”防風通聖散をください。”と言われる方が、時に来院されることがあります。
防風通聖散とはどのような方剤なのでしょうか?宣明論に記載されている方剤で、18種類の生薬が使われています。理解を容易にするため、仕事や家庭などでストレスが溜まり、肝気の乱れを引き起こした場合を考えてみます。
<肝気の流れ> <胃熱の流れ>
↑ 脳 →:胃経別
期門- - - - ->胃 ↑↑ →:脾経脈
↑ 気が鬱して熱 ↑↑ →:肺経脈
↑ 肝 気の乱れ 肺 ↗心 →:心経脈
↖ ↑ ↑ ↑↗
↖↑ ↑↓胃:熱
↑ ↑↓
大腸
肝の経気の多くは肝へは流れず、期門に向かい、脾経脈を介して胃へ流れて行きます。そこで気が鬱滞すれば、熱となります。
胃の熱は脳へ伝わり、食欲を増します。生薬の配合から、胃熱を清し、食欲を抑える方剤ではないかと考えます。次回、防風通聖散を分析していきます。