麻杏甘石湯は、麻黄、杏仁、甘草、石膏からなる方剤です。分析してみます。
条文63に、発汗後、更に桂枝湯を行うべからず。汗出でて喘し、大熱無き者は麻黄杏仁甘草石膏湯を与うべし。とあります。
大腸経脈
喘す肺 <---- 天鼎 --|--> 胃
↖ ↗----> 表 発汗 ↓大腸の気は乱れて
---大椎--->↑胃邪気 ↓肺へ入る
肺
胃に移った邪気(活性化はない?)により、気が胃に集まります。この気は、一部は胃絡脈を通り大椎へと流れて行き、発汗を促します。一部は肺経脈へ流れ、大腸を経由して肺に入ります。また、大腸の気は乱れ、肺に入っていきます。肺内で気の乱れが起き、喘することになります。石膏で胃内の邪気を排泄し、麻黄と杏仁で肺内の気と水の乱れを整えます。甘草で気を胃に導き、他剤の働きを助けます。
防風通聖散には杏仁はなく、桔梗が使われています。熱が肺内へ入ると、痰が作られます。痰がある場合は、桔梗が有効でしょう。残りの生薬、山梔子、黄芩、刑芥、連翹の働きについては、次回分析してみます。