70代の男性 ;糖尿病、高血圧などで当院治療中
年を取ると、足腰が弱り手足が冷たくなるものです。診療中に“足腰が弱くなり手足も冷え、夜は靴下をはいて寝ないといけない。“と訴えられた患者さんがいます。耳鳴りがないことを確認し、腎陽虚と弁証し、漢方薬の八味地黄丸を処方しました。ところが、次回来院時に、“あの薬はいかん。耳鳴りがするようになった。”と言われました。よく話しをお伺いすると、以前は耳鳴りがしていたそうです。聞かれた時にはなかったので、“耳鳴りはない。”と言われたようです。
耳鳴りは治りにくいものですが、証に合う漢方薬を飲むと、改善あるいは消失します。体を温める八味地黄丸は、一般には耳鳴りには使いません。患者さんの話しをしっかりお伺いし、牛車腎気丸などをお勧めすれば良かったと反省しています。