約180年前、リンゴの枝の皮の中に尿糖を増やす物質があることが分かりました。この物質を改良し副作用を減らした薬(SGLT
2阻害剤)が、もうすぐアメリカで発売されます。当院では、数年前から治験で使用しており、低血糖の心配が少なく、体重が落ち、血圧も下がります。この薬の特徴から,食生活と活動量が変わらなければ必ず血糖は下がります。ヘモグロビンA
1cで0.8 %前後下がるようです。今ある薬とは全く違った働きをする薬ですので、他の糖尿病薬との併用も可能です。糖尿病患者さんは、余ったカロリーの多くを肝臓で糖に変え、血液の中に保存します。この保存された糖は余分な物ですので、積極的に捨てることは体に取って良いことです。もちろん、いくつかの心配もあります。尿路感染症が増えるのでは、悪玉コレステロールが増えるのでは、この系列の薬の中に膀胱癌や乳癌を増やす物があるかもしれないなどです。
全く新しいタイプの薬です。日本でも2年以内に必ず発売されます。糖尿病治療に1つの有力な選択肢が加わります。しかし、食事量が増え、活動量が減れば血糖は下がらないでしょう。