60代の糖尿病患者さんが、“高血圧の薬を飲むのを止めても大丈夫なのか?”と友人が心配していると言われました。実は、今年の4月頃安定していた血圧が突然上がってきたので、“薬を増やして欲ほしい。”と言われたことを思い出しました。140/80程度だった血圧が182/104にもなっていました。このような患者さんは珍しくはなく、よく見かけます。
中医学の書物には、春は肝陽が亢進しやすい季節だそうです。そして、高血圧は肝陽の亢進と関係が深いようです。そこで、降圧剤の調節はせずに、漢方薬の釣藤散をお出しして様子を見ることにしました。2週間後には、110/70近くまで低下していましたので降圧薬を中止して経過をみることにしました。それから、4ヶ月がたちますが血圧は安定しています。機会をみて漢方薬は減量するつもりです。