20数年前、県立病院の糖尿病専門病棟で働いていた時、
看護婦さんからびっくりするような話を聞かされました。
治療歴の長い痩せた患者さんがおられ、昼食と夕食の間に
ショッパンを1斤食べられていたそうです。毎日食べられ
ていたので、相当なカロリー過多になっていたことは想像
にかたくありません。でも、痩せていた。
このことを最近思い出しました。この患者さんの場合、
血糖が高いことより、食欲が抑えられないことが病気で
しょう。それでは、糖尿病などの病気ではない人が、同じ
ことをしたらどうなるのでしょうか?たぶん、途中で糖尿
病にならなかったら、どこまでも太っていくでしょう。こ
の患者さんが太らなかったのは、過剰なエネルギーを糖に
変え、血液(体液)の中に溜めていたからです。そして、
いっぱいになったら尿に捨てていたんです。
年齢を重ねていっても、食事量が減らない糖尿病患者さ
んは多いようです。食物を処理する力も、生きるために
必要な食事量も、年々減っていきます。それなのに何故、
食欲は落ちていかないのでしょうか?何故、脳は過食を止め
ようとはしないのでしょうか?