アメリカ糖尿病協会の月刊誌、“Diabetes Forecast”の最新号に、「Abracadabra: The Lessons of Insurin」と題する記事があります。インスリンと聞くと、いやな感じをもたれる患者さんが多いようです。インスリン注射を思い浮かべられるからでしょう。インスリンは、血糖を下げる薬と考えられている方が多いと思いますが、他にも多くの働きがあります。アミノ酸やカリウムを細胞の中に取り込ませます。また、ナトリウムの胃への分泌や腎臓からの排泄の調節などの働きもあります。しかし、なんと言っても糖を脂肪に変える働きが大事でしょう。実は、インスリンが血糖を下げるのは、糖を脂肪に変えるからです。つまり、一部の糖がなくなるわけです。結果として、血糖は下がります。しかし、太ることになり、インスリンは効かなくなっていきます。
本来、インスリン注射は、体で必要な量のインスリンを作れない時に使う注射なのです。もし、血糖を下げるために使うなら、自分に合った運動と食事の仕方を考える必要があります。太ってしまったら最悪ですから。