糖尿病の食事療法で大事なことは、食事に満足することとその食事が健康的であることです。では、満足するために大事な物は何でしょうか。その1つは、油、砂糖、塩と出しについての理解と、それらの使い方だと考えています。今回は、砂糖について考えてみたいと思います。
4月のメインディシュの和風カレーでは、油(質を考える)、塩(量を考える)、出しと砂糖を使っています。砂糖を加えてカレー粉の辛さを生かし、美味しさも高めているのです。丼もの、例えば親子丼にも砂糖は結構使われています。10g程度になる場合もあります。みりんにも砂糖が含まれているからです。砂糖の使用量を減らして、満足感を出すためにはちょっとした技術が必要です。油や塩、そして玉ねぎなどを上手に使う必要があります。
具材やご飯に混ざった砂糖は、砂糖が入った飲み物(ジュースなど)に比べると、ゆっくりと体の中に入っていきます。ご飯の量に気をつけ味わいながら食べれば、血糖の急激な増加はありません。以前、親子丼を食べさせる料亭で、患者さん達と食前食後(1.5時間後)の血糖を測り確認しました。また、おいしいさを出すためにドレッシングには、砂糖か蜂蜜が使われています。オリーブオイルに溶け込んだ少量の砂糖は、血糖を上げません。