50代の糖尿病の女性が、“私のヘモグロビンA1cは、ずっと10 %を超えています。テレビで言っていたことがほんとうなら、私はとっくに死んでいてもおかしくないですよね?”と言われました。この患者さんは、薬を使われるのを嫌がられ、食事と運動療法で治療を続けてこられました。確かに、網膜症、腎症、動脈硬化など見られていません。そこで、“2型糖尿病のほんとうの原因を知らないから、不思議に思われるんですよ。”とお答えしました。そして、“余った栄養が正しく処理出来なくなったので、糖や脂肪に変えて血液(体内の液体)の中に溜めて体が壊れるのを防いでいるんです。”とお話しました。
しかし、血糖が高いままだと、いつか問題は起きるでしょう。余った栄養を普通と違う処理をすることが、ゆっくりと体を壊していくからです。この患者さんには、“まず、8 %をめざしましょう。その訳は、歯医者さんが歯を抜いてくれない、外科の先生が手術してくれないかもしれないからです。”とお話しました。食事療法と運動療法は、必要なのです。