日本でも多くの糖尿病患者さんに使われている糖尿病治療薬DPPIV阻害剤は、専門家から膵炎や膵癌などを引き起こす可能性があると、発売前から心配されていました。アメリカ糖尿病協会の学術誌“Diabetes Care”の2014年9月号に、「Incidence of Pancreatitis and Pancreatic Cancer in a Randomized Controlled Multicenter Traial (SAVOR-TIME 53) of the Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitor Saxagliptine」と題する論文があります。心血管系の病気やリスクを持った40歳以上の16492名の2型糖尿病患者さんを対象にしてます。2.1年間にわたって、DPPIV阻害剤サクサグリプチン服用者の膵炎や膵癌の発生率について、調査が行われています。
膵炎や膵癌の発生頻度は、偽薬と比べて特に多くはなかったようです。しかし、安全性が確認されたわけではないようです。膵癌のとの関連性を調べるには、明らかに観察期間が短すぎます。また、他のDPPIV阻害剤では違った結果になるかもしれません。今後の、調査を見守る必要があると考えているようです。