診療中、“朝起きる時に手がこわばるのですが、病気ではないですか?”と尋ねられた糖尿病患者さんがおられました。他の症状はなく、診察や検査にも特に異常はありませんでした。ある種の病気の1つの症状の事もありますが、検査しても何も異常はありませんでした。そこで、経過を観察することにし、簡単な手の体操をするように勧めました。
1~2分ですむ簡単な体操です。中高年の糖尿病患者さんが、朝、目が覚めて急に起き上がると、リスクがあります。ですから、朝目が覚めたら、すぐに起き上がらない。横になったままで、目、首、手の指、上肢、足の趾、下肢の順で数回ずつゆっくり関節と筋肉を動かす。こんな簡単な運動ですが、体をゆっくり目覚めさせて行く効果があります。体の調子も良くなり、手のこわばりもなくなっていきます。もし、手のこわばりが改善しなかったり、悪化するようなら詳しい問診と精査が必要かもしれません。