高血圧の合併症も自覚症状もないのに、“血圧が高いです。大丈夫でしょうか?”と気にされる糖尿病患者さんがおられます。そのような患者さんには、“体が血圧を上げているのか、上がったのかを考えましょう”とお話します。体が血圧を上げているなら(異常に高い場合は薬を使ってでも下げるべきですが)、降圧薬で血圧を下げるべきではないと考えます。原因を突き止めて、その治療をすべきです。そして、血圧を上げている場合は、普通は自覚症状などはありません。問題は、血圧が上がっている場合です。この場合も、原因を探すべきですが、分からない場合も多いものです。異常に高く無ければ、生活スタイルの改善を指示します。ほとんどの方の血圧は、下がっていきます。
時々、2~3種類以上の降圧剤を処方されている糖尿病患者さんが、来院されます。ほとんど全て患者さんは、生活習慣を改善することで、減量か中止が出来ます。当然の事ですが、良好な血圧になった後、収縮期血圧が160 mg/dlを超えることがあります。以前薬を飲まれていたからでしょうか、“薬を出して下さい。”と言われる患者さんが多い。その時には、“何か心当たりはありませんか?”とお尋ねします。ほとんどの場合、原因が見つかります。血圧も下がります。
糖尿病患者さんは、血糖降下剤や高脂血症の薬などをたくさん飲まれている方が多い。複数の薬によって起きる体への負担を、全く気にされないのは何故でしょうか?不思議です。何も症状がないのは、大丈夫だというサインでしょうか?症状がほとんど出ない病気の中に、怖い病気が多いと思いませんか?