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インスリン治療でも血糖コントロールが不良、SGLT2阻害剤が有効な場合があります。 2015, 4.10

 インスリン治療にも関わらず、血糖コントロールがよくない糖尿病患者さんは、少なくありません。アメリカ糖尿病協会の学術誌 “Diabetes Care”の2015年の3月号に、「Efficacy and Safety of Canaglifozin, an Inhibitor of Sodium-Glucose Cotransporter 2, When Used in Conjunction With Insulin Therapy in Patients With Type 2 Diabetes」と題する論文があります。血糖コントロール不良のインスリン治療の糖尿病患者さんに、SGLT2阻害を追加投与した時の安全性と有効性についての論文です。血糖コントロールの改善(空腹時血糖とHbA1cの低下)に加え、体重と血圧の低下が見られています。そして、予想された副作用(陰部の真菌感染と脱水症状)が報告されています。

 コントロール不良(HbA1cが9%以上)のインスリン治療の、糖尿病患者さんと今後の治療について、相談していました。血糖値が250 mg/dl以上あるのに、尿糖が出ていませんでした。そこで、インスリンを減らし、SGLT2阻害剤を少量追加しました。2週間後の来院時の血糖は、100 mg/dl以上も下がっていました。また、特に副作用も見られませんでした。尿糖が出にくい糖尿病患者さんは、血糖が下がりにくく、インスリン使用量も多くなりがちです。そして、低血糖などの危険も多くなります。体外に捨てられる糖を増やすSGLT2阻害剤は、適切に使えば、大きな効果が期待出来ます。 

at 2015/04/10 17:43:53